ロシア外務省が「ウクライナが汚い爆弾をつくっている証拠」としてツイートに添えた写真に対し、東欧スロベニアの政府公式アカウントが、「これは我が国の政府機関が12年前、煙感知器を撮影した写真だ」とツイートし、ロシアに反論した。 「汚い爆弾」とは、放射性物質を通常の爆薬で広範囲にまき散らし、汚染を起こすタイプの爆弾だ。 ロシアは最近、「ウクライナが汚い爆弾を使おうとしている」という主張を強め、逆に「ロシアが汚い爆弾を使い、それをウクライナのせいにしようとしているのではないか」との各国の疑念を招いている。 NHKによると、10月25日(現地時間)に行われた国連安全保障理事会の緊急会合でも、ロシアは「深刻な脅威」と主張。米英などは「偽情報だ」と批判した。 ロシア外務省がツイートした画像パネルの右側には、「ウラン235、プルトニウム239が使われている」と書かれ、放射性物質のマーク入りの袋に物体が入っている写真が添えられていた。 同国政府公式アカウントが26日(日本時間)、「ロシア外務省がツイートに用いた写真は、スロベニア放射性廃棄物管理庁(ARAO)が2010年に撮影したものです」とツイートした。 スロベニア政府によると、ロシアが使った写真は一般的な煙感知器を収めたもので、プレゼンテーション用に撮影されたものだといい、「この機材は放射性物質を含んでいるが、あの画像にあるような物質は使われていない」という。さらに写真は、ARAOの許可なくツイートに使われていたという。 スロベニアは旧ユーゴスラビア連邦の一部だったが、1991年に独立。西欧や米国に接近する外交路線を取り、2004年には欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)に加盟。ロシアとは距離を置いている。 また、ロシアはウクライナ侵攻で偽情報の拡散を含む様々な情報工作を続けている。 (サムネイル:AFP=時事)

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